
勤労感謝の日は未明から雨、ザーザー降っている。お天気お姉さんの予報は午後から回復するということなので予定通り秋の房総半島を満喫する旅に出た。
千葉県には山がない。
いや、ある!田舎なのでたくさん山はあるのだが一番高い山でも408メートルしかない。東京タワーよりも高いが、東京スカイツリーに遠く及ばないのだ。
しかし千葉にはマッターホルンがある。
登攀意欲を刺激する三角形のピラミッド型山岳が房総のマッターホルンといわれる「伊予が岳」である。
標高は337メートル、かろうじて東京タワーより高い。
われわれ3人と1匹はワクワクしながらどしゃぶりの中、自宅をあとにした。
館山自動車道から久留里街道にはいっても雨は止みそうもない。ドライブインで長い休憩をしたり久留里城を見学したりして、ゆっくりと伊予が岳に近づく作戦をとる。

くるりくるりと久留里城。
小さな山城で30年前に天守閣を再建した。黒田氏久留里3万石のお城である。駐車場から天守閣まで少し山道を登らないといけない。

途中でハクビシンに出会った。
油断していたので驚き、写真を撮るヒマもなくハクビシンは藪に消えた。
亀山湖、笹川湖畔の紅葉を楽しみながら大山の千枚田に立ち寄る。
大山千枚田。

山の斜面に小さな田んぼが段々になっている風景。房総の里山は美しい。
千枚田のうしろにひかえる山は千葉県で一番高い山「愛宕山408m」だろう。自衛隊のアンテナが立っている。山頂は自衛隊の基地になっているので勝手に登れない。要予約。隊員が一緒に登ってくれるらしい。
伊予が岳。
麓の平群天神社に着いたころには雨もすっかり上がり絶好のハイキング日和になった。山頂までは30分の歩行時間。
山道も整備され、なんなく頂上に着くだろうと甘くみていたら頂上直下の岩場で苦労させられた。愛犬ルナがすべって登れない。びびって震えているのでサマンサとアダムが引っ張りあげた。雨で濡れた岩場はすべりやすく危険だ。

山頂の景色はすばらしい。
房総の山並み、東京湾、天気がよければ富士山も眺められる。
標高337メートル。
景色を楽しんで下山。
ルナは立ち往生するので首輪をつかんで引きずり降ろさなければならなかった。アダムが油断してすべって手をすりむいた。山は下りるほうが危ないのだ。

足慣らしにちょうどいいハイキングだった。
海辺の食堂で金目鯛の刺身を食べて帰路に着く。ありがとう、房総半島。